プロフィール
浅野誠
浅野誠
1972-90年沖縄大学・琉球大学に勤務
1990-2003年中京大学に勤務
2004年より沖縄生活再開
玉城の絶景のなかで田舎暮らし
自然と人々とつながりつつ人生創造
執筆活動、講演・ワークショップを全国にて行う
各大学で非常勤で授業。沖縄大学客員教授
アメラジアンスクールインオキナワ相談役
最近著 『<生き方>を創る教育』(大月書店)
『ワークショップガイド』(アクアコーラル企画)
『沖縄 田舎暮らし』(アクアコーラル企画)
 
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2008年12月22日

『森の力』2  森林セラピーと地域起こし 体験滞在型観光

  この本の第Ⅱ部は「つながる」、その第3章は「わが町で豊かに暮らし続けたい--森林セラピーで地域づくり」というタイトルで、長野県信濃町の事例に基づいている。

  「平成の大合併」がきっかけとなって、「地方の町が生き残っていくには、地方交付税改革の先行きに左右されずにやっていけること、つまりは『自立』が必須だ」ということで、「全国で10本の指に入る自治体になればやっていけるんじゃないか」ということのなかで、町に豊かな森をもとに話はすすんでいく。そのなかで、「地域づくりとして、また新たな産業として、住民と町行政で取り組んでいるのが森林セラピーだ」という物語がつくられていく。
  その動きを築いていく中心的組織の一つとして「信濃町森林療法研究会」があるが、その会長には、「主婦」がなるが、その就任「決め手は感性」だったという。

  このストーリーを読みながら、私は南城市・玉城の地域起こしを思い起こしていた。
  平成の大合併、観光、大企業の立地はない、豊かな自然がある、などなど大変似ているからだ。
  また、体験滞在型観光が一つのキャッチフレーズになっている南城が、その体験滞在にどれだけの中味をつくることができるか、ということで参考になることが多いからだ。

  今、沖縄は観光ブームにわいている。しかし、それがいつまで継続するのか。その観光の主流は従来スタイルだ。無論、リピーター型が増えている。そのリピーター型を、さらに持続型共同型へといかにもっていくかが鍵のように思う。信濃町の観光は、スキーに支えられていた。そのスキーもリピーター型ではあるが、スキー人気の下降のなかで、大きな問題に直面している。同じようなことは、南城市にもいえそうだ。
  とすると、継続型共同型への展開が問われている。その点で、始まったばかりの滞在型体験型観光がどのように展開していくかに、私は関心をもっている。

  しばらく前に、 「農業体験」目的の修学旅行生の受入が緊急要請されたことがあったが、我が家では、「家庭菜園」ならともかく「農業体験」は難しいことをお話して、実現しなかったことがあった。そんな話をしたら、「農業体験」そのものではなく、「類似体験」、たとえば近隣の散歩とかで、「やりくり」をした例をいくつも聞いた。それでも修学旅行生はかなり満足しているとのこと。
  しかし、私には疑問だ。そして、最近の新聞報道によると、農業体験学習についての勉強会が開かれ、講師が、「農業体験」をごまかすのではなく、きちんとすることを強調したとのことだ。

  長い目でみると、信濃町のように、森林セラピーなどの「売り」について、かなりきちんとした取り組みが必須になると思う。そんな意味で、この取り組みから学ぶことは多いと私は思う。