プロフィール
浅野誠
浅野誠
1972-90年沖縄大学・琉球大学に勤務
1990-2003年中京大学に勤務
2004年より沖縄生活再開
玉城の絶景のなかで田舎暮らし
自然と人々とつながりつつ人生創造
執筆活動、講演・ワークショップを全国にて行う
各大学で非常勤で授業。沖縄大学客員教授
アメラジアンスクールインオキナワ相談役
最近著 『<生き方>を創る教育』(大月書店)
『ワークショップガイド』(アクアコーラル企画)
『沖縄 田舎暮らし』(アクアコーラル企画)
 
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2008年12月31日

沖縄高専のロボコン優勝 15歳からの実学 大学・成人教育3

  昨晩、テレビで沖縄高専優勝の場面を見た。
  これまでもロボコン・コンテストはテレビでよく見た。
  あの楽しそうで、真剣な熱中ぶりは感動させられる。
  モノの創造というのは、こういうものなのだろう。そしてチームでの創造だ。

  こうしたものが高専教育の一つの特徴だろう。
  数年前、ある高専の全教員対象に、具体的な授業改善のためワークショップを行ったことがある。
  先生方もアイデアあふれ、創造性豊かであった。大学授業の既成観念を打ち破って、先生方の創造性を生かせれば、学生をひきつけ、かなりのレベルまでに到達できる授業ができるだろうと、そのときに参加者の授業創造を見て感じた。

  そんな意味で、15歳レベルから「ワザ」の教育、つまり実学をすることは私は大変いいことだと思う。早すぎるという声を聞くこともある。だから、普通高校がいい。普通高校の方があとからの選択肢が広いという考え方だ。そうした発想がストレーター秩序を下支えしてきた。
  そこには進路転換はまずいことだという発想がある。まっすぐひとすじの進路でいくのがいいという発想だ。しかし、今日の大人たちにそうしたケースは何%あるだろうか。おそらく10~20%ぐらいのものではないだろうか。
  早くから実学をしながら、実学の世界に知りつつ、そのあとからアカデミックなことを学ぶというのも、大変いいと思う。

  大学への社会人入学の制度が広がっているが、その比率はまだ数%にも満たない。ストレーター秩序が強力な日本では、高校卒業と同時に大学・専門学校入学・就職が当然だとされ、大学卒業と同時の就職が当然だとされる。
  10年前、カナダにいたころ、同世代のものが、多様な進路をしている例を見た。一年働いてから大学入学、あるいは2~3年間世界を旅したり、NGOで働いたり、日本で外国人語学教師を勤めてから就職する例によく出会った。卒業と同時に就職という例に出会うことのほうが少ないという感じさえしたこともある。
  そして、ある高校にいったとき、家庭科の授業で、アルバイトのグラフがあったので、質問したら、大学での授業料を稼ぐためにアルバイトをするのが普通だと聞いた。日本と比べて授業料が安いからできるかもしれないが、18歳になったら、親がかりではないのが普通の考えだった。

   そういうふうに考えると、日本のシステム、私がいうストレーター秩序を生みだすシステムは、若者が自分自身で考え、試行錯誤して大人になっていくこと、人生起こししながら大人になっていくことをおしとどめているのではないか、という疑問が高まる。
   そのストレーター秩序が1990年代から崩れつつある。それだけにそれにしがみつく傾向が強力に存在している。残念ながら沖縄の教育界は圧倒的にその世界のなかにある。