外に開かれた家にして、多様なつながりを育てる  子育てワザ3

浅野誠

2013年02月13日 11:28

 前回、人間関係を多様で豊かにすることが子育てで重要だと書きました。それは子どもだけでなく親自身についても言えることです。人間関係を職場つながりでつくる親が多いのですが、そうはいっても親の職場つながりにのって育つ子どもは少ないでしょう。保育所とか学校とかの地域つながりが多くなります。
 したがって、保育所・学校・学童保育などでの親同士のつながりも重要になります。そうしたところでの保護者会などへの出席や役員になることを面倒がる人が多いようです。しかし、そうした所では、職場つながりとは異なる人間関係ができておもしろい面があります。職場のしがらみがないだけにかえって面白いという人もいます。
 また、送迎などの機会に出会う親同士の関係も面白いと思います。そうした出会いの機会に、他の親の子育てを見ることは興味深いし、自分たちの子育てを振り返る機会にもなります。そうした機会でなくても、近所で何人か以上の子どもたちが遊ぶ姿を見ることもいい機会です。また、自宅と近所のお宅との間を遊びに行きあったりするのを見るのもいい機会です。
 子育てに、祖父母の協力を得る例は多いのですが、そういう条件がない人でも、近年急激に広まっているファミリーサポートの活用も、子育てに新たな世界を見せてくれます。
 
 余りいわれないことですが、できることなら以前ならごく普通だった、近所の子どもたちが遊びに来るような家にしたいものです。私たちが西原の小波津団地に住んでいた30年ぐらい前、我が家は、他の多くの家と同様に、近所の子どもたちが遊びに来る家でした。増築する時も、そのことを念頭に置きました。
 ブロックで高い塀をつくり、周りから閉ざされた家は避けたいものです。窃盗のプロは、そういう家のほうが入りやすいと言っているニュースをよく聞きました。開放的であると、近所の目があり、泥棒は入りにくいのですが、子どもたちの人間関係を育てる上では絶好です。
 そんな我が家でしたが、時には子どもたちといっしょに私も遊びました。そのころの子どもは今30代になっているのですが、お会いすると、思い出話が一杯でてきます。我が家に遊びに来た子どもがトイレに入って内鍵をあけられなくて出られず、泣いた話などは、とても印象的です。先日、再会してその話をしたら、忘れておられました。
 子どもたちの遊びに、大人が入ることで、子どもたちだけではできない、遊びの広がりができる時があります。私は、子どもたちと一緒にゲーム遊びをしたり、モノづくりをしたりしました。我が家の中を障害物ゴルフ場に見立てて、変わったゴルフコースをつくりました。座布団を積んで高い所にホールをつくったりして、ピンポン玉をボールにして、ゴルフをしました。その影響かどうか、息子はモノづくりに結構夢中になり、今では孫たちといろいろと遊んでいるようです。
 共稼ぎだった私たちの子どもが小学生の頃、学童保育が近所になかったのですが、子どもたちの帰宅後、親がまだ帰らない時間も、近所にはこんな関係がたくさんありましたから、なんとかなっていました。

 家族でドライブするとかの旅の機会もあると思います。行く先が親戚だったら、いとこたちと遊ぶ絶好の機会でしょう。家族だけの時間を楽しむこともいいのですが、家族外の人と一緒に楽しむのもいいものです。市町村や博物館などが主催する親子教室などに出かけるのも、他の家族と一緒に取り組めるという点、新たなつながりができる点で絶好の機会だと思います。
 自分たちで、家族合同企画をするのもいいと思います。もう25年ぐらいたちますが、私が当時勤務していた琉球大学教員の数家族と合同で、海洋博公園近くのホテルに泊まって、いろいろと楽しんだことがありました。昼間は数家族の親子が一緒になって遊び、夜は親たちの懇親会で、子育て談議に花開きました。
 今書いてきた子育てのワザは、いまでは現代風にさらに発展した工夫がされていると思いますが、そんな工夫を交流しあう機会をたくさん持ちたいものです。

 写真は本文に関係なく、洋蘭博覧会で撮影

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