プロフィール
浅野誠
浅野誠
1972-73年沖縄大学に勤務
1973-90年琉球大学に勤務
1990-2003年中京大学に勤務
2004年より沖縄生活再開
玉城の絶景のなかで田舎暮らし
自然と人々とつながりつつ人生創造
執筆活動、講演・ワークショップを全国にて行う
沖縄県立看護大学・沖縄リハビリテーション福祉学院で非常勤講師
沖縄大学客員教授 南城市・西原町で、多様な審議会等で委員長などを務める

  最近著
  『沖縄おこし・人生おこしの教育』(アクアコーラル企画)
『<生き方>を創る教育』(大月書店)
『ワークショップガイド』(アクアコーラル企画)
『沖縄 田舎暮らし』(アクアコーラル企画)
  『浅野誠ワークショップシリーズ』
    1.ワークショップの作り方進め方
    2.人間関係を育てる
    3.授業づくり(小中高校)
    4.授業づくり(大学)
    5.人生創造
  6.人間関係・人生創造・世界発見・共同活動創造
 
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2013年03月21日

教師の奮闘より、学生相互の人間関係を豊かにして学習活動を活性化することが焦点

 最近、ある大学の教育改革アンケートへのレスポンスとして小文を書いたが、ほとんどの大学にあてはまることなので、ここにも掲載しよう。

 〇〇大学の先生方は、本当によくやっておられます。私からみれば、ワーカーホリックではないか、と思うほどです。教育改革が過重労働を招かないように、御配慮願います。
 私自身の、過去30年ほどの授業改革の背後には、私自身の過重労働を避けるためにあったとも言えます。
 と同時に、教師一人が学生にどれだけ教えきれるか、という「うぬぼれ」を戒める意味もありました。教師が一生懸命、できるだけがんばればがんばるほど、教育効果が上がるという発想は、現在の大半の大学では、誤りだと思います。
 教員一人当たり10~20名、さらにそれ以上も学生がいる所では、それは無理な発想です。

 問題の焦点は、学生自身の学習行動を活性化させるように、教師が運んでいけるかどうかにあります。授業時間数や授業における提示をいかにうまくやるか、ということにあるわけではありません。
 学生自身が学習に向かううえで、決定的に重要なのは、学習をめぐる人間関係の質・量です。
 そのように、授業が展開しているかというと、その点での改善工夫に焦点が当てられていないのが、全国の大学に共通する特徴でしょう。
 そして、年々、学生相互の人間関係は乏しくなる傾向が著しいと言えるでしょう。
 私が担当した授業でも、そのことが言えそうで、その点での改善工夫に精力的に取り組んできました。

 たとえば、授業のなかで、受講生全員が発言するに至るのは何回目の授業でしょうか。ゼミなら、何回目かにはそれができているとおもわれますが、一般の講義では、この発問の成立すら疑われるかもしれません。私の授業では、ゼミ以外の講義でも、ほぼ1,2回目の授業でそうしたことになります。それをきっかけにして、学生の相互学習が展開し、学習効果が急カ-ブを描いて上昇します。
 それは授業展開自体がそうした形になっているからです。

 学生相互の人間関係が弱い1例は、学科やゼミなどで、上級生と下級生との関係が希薄なことにもあらわれます。私なら、ゼミは学年を越えて受講させます。そういう単位取得システムをつくるべきでしょう。合同ゼミでいいと思います。(システムがない所では、私はもぐり学生を活用してきました。)
 そのなかで、学習をめぐる体験が蓄積共有され、学習効果は飛躍的に前進します。
 そのうち、教師がいなくても、(時々顔をだすぐらいでも)授業が自主的に継続することさえあります。そういうのが、大学教育の目標でさえあるはずです。

 こんな視点から改善工夫を積み重ねていくと、教員自身も労働過重にならないで、かつ、学生自身も楽しみつつ、人間関係を広げ深めつつ、学習効果を上げるという流れが生み出されていくと思います。

教師の奮闘より、学生相互の人間関係を豊かにして学習活動を活性化することが焦点写真は本文の関係なく、干潮時のイノーが、くだけたサンゴのかけらに埋め尽くされた光景。


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Posted by 浅野誠 at 19:19│Comments(2)大学
この記事へのコメント
できるだけがんばればがんばるほど、教育効果が上がるという
学習をめぐる人間関係の質・量
学生の相互学習が展開し、学習効果が急カ-ブを描いて上昇します。

授業は、教えるものではなく、気づくことではないでしょうか。気付かせる。
分からないこと、それは見えていない、気づかないことではないか。
発言すること、自分を客観化すること。見えるようにする?
Posted by ハナシロ at 2013年03月22日 09:58
ハナシロさん、コメントありがとう。
ガンバリズムが沖縄でも蔓延していますね。
Posted by 浅野誠浅野誠 at 2013年03月23日 17:01
 
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