2012年07月23日
企画書作成と原案作成 『企画書提案書の書き方』を読む
小中高校の学級会・学級総会で、何かを討論決定する際には、原案が不可欠だ。この作成の仕方については、1960年代から全生研(全国生活指導研究協議会)に分厚い蓄積がある。私も関わっていろいろと書いてきた。
私の場合、原案の書き方について、現場教師の研究会で扱うだけでなく、大学の教職科目、とくに「特別活動」関連科目で扱ってきた。
また、教職科目に限らず、民主的な運営を行う組織、ごくありふれた組織のなかでも、何かを討論決定する時、きちんとした原案があるかないかでは、組織運営に大きな差がでる。
そこで、教職科目に限らず、原案作成の仕方を教えることをしばしばしてきた。
ところで、ここ10数年、文系学部で教える機会が多く、かれらの進路先としてビジネス界が大きな位置を占め、ビジネス界では、企画書とか提案書と言われるものが大きな位置を占めていることに気付いてきた。そこで、私の授業でも、そうしたものを書かせることが多くなった。私の頭では、原案作成の転用でもあった。
それにしても、ビジネス界での企画書とか提案書とかの書き方はどうなっているのか、多少は知っておく必要があるな、と思い、書店でそのコーナーをみてみた。数段ある1コーナー全部がその類いの本であった。それだけビジネス界の必需作業になっているのだな、と再確認することになった。
並んだ本にはいろいろなスタイルがあるが、もっともオーソドックスそうで、かつ版数を重ねている1冊を購入して読んでみた。斎藤誠「企画書・提案書の書き方」(日本実業出版社2002年初版)である。
予想通り、私がこれまでしてきた「原案の書き方」と「企画書・提案書の書き方」には共通する部分がとても多い。
たとえば、「採用される企画書の3条件」の「1.問題解決の要件を満たしている」には、「(1)企画の目的 (2)目的を達成する戦略 (3)実施方法 (4)スケジュール (5)予算」P189 とある。これらの要件の前に「現状分析と問題点の抽出」P205についても各所で述べられている。
私は原案の書き方の項目要件として、(1)集団のようす (2)活動のねらい (3)活動目標 (4)活動計画 (5)期間と到達目標 (6)組織方針 をあげて、それらを満たすように指導している。
共通するところが確かに多い。といっても、両者の作成目的が異なるので、当然異なる所が多い。企画書は、自主的に、ないしは委託・指示をうけた作成者が採用決定者に提出し、採用者が採用の可否を決定する。原案は、組織内の責任者・指導者、ないしは組織から委託された原案提出者が、組織に提出し、自身も採否をめぐる討論決定にかかわる。
この違いは、組織の性格の違いと言ってもよいだろう。
将来、ビジネス界で働くことになりそうな学生には、この両者を作成する力を身につけて欲しい、と思う。ということで、そういう学生が多い授業では、この両者の作成力量を身につける場面を、いっそう増やしていこうと考えている。
写真は、本文に関係なく,我が家玄関で咲き過ぎているオオバナアリアケカズラ

私の場合、原案の書き方について、現場教師の研究会で扱うだけでなく、大学の教職科目、とくに「特別活動」関連科目で扱ってきた。
また、教職科目に限らず、民主的な運営を行う組織、ごくありふれた組織のなかでも、何かを討論決定する時、きちんとした原案があるかないかでは、組織運営に大きな差がでる。
そこで、教職科目に限らず、原案作成の仕方を教えることをしばしばしてきた。
ところで、ここ10数年、文系学部で教える機会が多く、かれらの進路先としてビジネス界が大きな位置を占め、ビジネス界では、企画書とか提案書と言われるものが大きな位置を占めていることに気付いてきた。そこで、私の授業でも、そうしたものを書かせることが多くなった。私の頭では、原案作成の転用でもあった。
それにしても、ビジネス界での企画書とか提案書とかの書き方はどうなっているのか、多少は知っておく必要があるな、と思い、書店でそのコーナーをみてみた。数段ある1コーナー全部がその類いの本であった。それだけビジネス界の必需作業になっているのだな、と再確認することになった。
並んだ本にはいろいろなスタイルがあるが、もっともオーソドックスそうで、かつ版数を重ねている1冊を購入して読んでみた。斎藤誠「企画書・提案書の書き方」(日本実業出版社2002年初版)である。
予想通り、私がこれまでしてきた「原案の書き方」と「企画書・提案書の書き方」には共通する部分がとても多い。
たとえば、「採用される企画書の3条件」の「1.問題解決の要件を満たしている」には、「(1)企画の目的 (2)目的を達成する戦略 (3)実施方法 (4)スケジュール (5)予算」P189 とある。これらの要件の前に「現状分析と問題点の抽出」P205についても各所で述べられている。
私は原案の書き方の項目要件として、(1)集団のようす (2)活動のねらい (3)活動目標 (4)活動計画 (5)期間と到達目標 (6)組織方針 をあげて、それらを満たすように指導している。
共通するところが確かに多い。といっても、両者の作成目的が異なるので、当然異なる所が多い。企画書は、自主的に、ないしは委託・指示をうけた作成者が採用決定者に提出し、採用者が採用の可否を決定する。原案は、組織内の責任者・指導者、ないしは組織から委託された原案提出者が、組織に提出し、自身も採否をめぐる討論決定にかかわる。
この違いは、組織の性格の違いと言ってもよいだろう。
将来、ビジネス界で働くことになりそうな学生には、この両者を作成する力を身につけて欲しい、と思う。ということで、そういう学生が多い授業では、この両者の作成力量を身につける場面を、いっそう増やしていこうと考えている。
写真は、本文に関係なく,我が家玄関で咲き過ぎているオオバナアリアケカズラ

Posted by 浅野誠 at 06:21│Comments(1)
│理論・思想・研究
この記事へのコメント
浅野さん
2年前に拙著を読んでいただいていたのですね。ありがとうございます。
2年前に拙著を読んでいただいていたのですね。ありがとうございます。
Posted by 齊藤 誠 at 2014年07月10日 16:02